人型ロボットと自律エージェントの接続を表す抽象ビジュアル
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IMAGE: AI生成ビジュアル

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2台の人形ロボットが11分制の卓球をフルセットで自律対戦 — 香港大学×超维动力のSMASH 2.0、世界人形ロボット運動会へ

香港大学とロボット企業「超维动力」の共同チームは2026年8月17日、2台の人形ロボットがリモコン操作なし・人の補助なしで11分制の卓球1ゲームを完走するデモを公開した。視覚・軌道予測・動作計画・全身制御を閉ループ化したシステム「SMASH 2.0」を搭載。8月22〜26日に北京で開かれる第2回世界人形ロボット運動会を前にした成果で、開会式ではロボットと卓球選手の対戦も予定されている。

香港大学の計算・データ科学学院に所属するMMLab HKUと、ロボットスタートアップ**「超维动力」**の共同研究チームが2026年8月17日、2台の人形ロボットが11分制の卓球を1ゲーム完走する自律対戦デモを公開した。リモコン操作はなく、人間の補助(球出し)もない。両ロボットが交互にサーブを打ち、得点を奪い合って1ゲームを最後まで戦い切った。チームはこれを「人類史上初の人形ロボットによる自主卓球の完全対局」としている。詳細は量子位(QbitAI)によるチームリーダーへの取材で明らかにされた。

デモの内容

  • 2台の人形ロボットが卓球台を挟んで対戦し、11分制のルールで1ゲームを完走
  • 従来のデモは人間が球出し(餌球)をしてロボットが返球する形が一般的だったが、今回は両ロボットが自主的にサーブを打つ
  • チームリーダーは香港大学計算・データ科学学院の副院長でMMLab HKUの責任者、羅平(Luo Ping)氏(超维动力の共同創業者)と、同大学ポスドクで超维动力の運動制御アルゴリズム責任者を務める李莹辉(Li Yinghui)氏
  • 対戦で得られたデータは保存され、今後の実機強化学習(real-world RL)に使う計画。現在の訓練データは人間のデータが中心で、対戦相手に応じたリアルタイム学習はまだ実現していない

SMASH 2.0の技術

  • システム名はSMASH(Scalable Whole-Body Skills)。視覚認識→ボール軌道の予測→ラケットの動作計画→全身の制御を閉ループでつなぐモジュール構成で、単一の大規模モデルに全てを任せる方式ではない
  • 1.0から2.0への拡張で、対応する来球の範囲を長球・短球に広げ、自主発球システムを追加。これによって「11分制の対局」が成立した
  • SMASHの基本設計は2026年4月1日付の論文(arXiv:2604.01158)と香港大学MMLabのプロジェクトページで公開されている。外部カメラ・モーションキャプチャを使わず機載の自己中心視覚(egocentric perception)のみで連続打撃を実現した点を同グループは主張している
  • ただし競技では、安定性を重視して外部モーションキャプチャや外部カメラを使用する場合もある。チームは製品化に向け、最終的にロボット単体の視覚のみで動くよう依存度を下げていく方針
  • ソフトウェアはロボット本体に依存しない設計で、宇樹(Unitree)のG1でのデプロイテストも実施済み。自社開発の本体でもSMASHの適合・調整を進めている

世界人形ロボット運動会という舞台

  • デモは2026年8月22〜26日に北京・国家速滑館(通称「冰丝带」)で開催される第2回世界人形ロボット運動会を前に公表された。大会は50種目を設定し、2000台超のロボットが参加する見込み。開会式では1000台超が登場する予定とされる
  • 同チームのロボットは開会式の卓球プログラムで卓球のプロ選手と対戦することも予定されている
  • 同大会はチーム間の公平性のため、競技規則で全チームが成人サイズの人形ロボット**智元機器人(AgiBot)の「远征A3」**を使用するよう統一しており、同チームもA3で出場する
  • リーダーの羅平氏は、身体寸法が人間に近い全サイズ人形ロボットは人間のデータを直接再利用しやすいと説明。卓球は「十分に難しく、人形ロボット技術の進歩を継続的に測れる起点」であり、3年後の目標としてプロの卓球選手への挑戦を掲げている

※本記事のデモ詳細は、量子位(QbitAI)によるチームリーダーへの取材記事(2026-08-17)に基づく。SMASHのシステム設計の基本部分は公開論文・プロジェクトページで確認できる。ロボットの実力評価は現時点ではデモ動画・取材内容の範囲に限られ、第三者の独立した評価は行われていない。

出典: SMASH: Mastering Scalable Whole-Body Skills for Humanoid Ping-Pong(arXiv:2604.01158、2026-04-01)、SMASHプロジェクトページ(香港大学MMLab)、世界人形ロボット運動会公式サイト(大会ガイド)