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GOVERNANCE / POLICY & SAFETY

MPAとByteDance、生成AI映像・画像モデルのIP保護でMOU締結 — Seedance/Seedreamにガードレールを正式化

全米映画協会(MPA)とByteDanceは2026年8月17日、生成AIの映像・画像モデル(Seedance、Seedream)を対象に知的財産(IP)保護の枠組みを示す覚書(MOU)を発表した。2月の差止請求書から約半年で歩み寄り、TikTok・CapCut・Dreaminaなどで提供されるモデルに「強力なガードレール」を維持・強化していく。

生成AIが映画・テレビの知的財産(IP)をどのように扱うかは、ハリウッドが最も警戒する論点の一つだ。2026年8月17日、ハリウッドの主要スタジオ7社を束ねる全米映画協会(Motion Picture Association、MPA)とByteDanceは、生成AIの映像・画像生成モデルを対象に、知的財産を保護する枠組みを定めた**覚書(MOU)**を結んだことを発表した。2月にMPAが差止請求書を送って以来の対立が、協議による合意へと転換した形だ。

合意の内容 — Seedance/Seedreamに「強力なガードレール」

  • MOUは、Seedance(映像生成)とSeedream(画像生成)など、TikTok、TikTok USDSジョイントベンチャー、CapCut、Dreaminaで提供される生成AIモデルに、IP保護のための「強力なガードレール」を維持・強化する共通の枠組みを定める
  • MPA会長兼CEOのCharles Rivkin氏は「数カ月にわたり、SeedanceとSeedreamに意味のあるガードレールを実装するべくByteDanceと建設的な協議を続けてきた。このMOUはガードレールをさらに強化していく決意を反映している」と述べた
  • ByteDanceの法務責任者(General Counsel)John Rogovin氏は「ByteDanceは世界中のクリエイティブ産業を支える知的財産権を尊重している。生成AIをめぐるサービス全体で保護策を強化し続ける中で、MPAとの建設的な協議に感謝している」とコメントした
  • MPAはこの合意を「生成AIの領域でIPが保護され得ることを確立する上での重要な一歩」と位置づけている

背景 — 2月の差止請求から約半年で歩み寄り

  • 発端は2026年2月12日、Seedance 2.0のローンチ当日にMPAが発表した声明。米国の著作権作品を意味のある保護策なしに利用しているとして、ByteDanceに差し止めを求めた
  • 2月20日には、Seedream 5.0 LiteとSeedance 2.0を対象に**差止請求書(cease and desist letter)**を送付。スタジオのIPを無断で流用するプロンプトが使われているとの懸念があった
  • その後、両者は建設的な協議を継続。MPAはSeedream 5.0 ProとSeedance 2.5のローンチがByteDanceのIP保護の「継続的な進展」を示していると評価している
  • 合意は今後も継続する協力関係の枠組みであり、AIの進化に合わせて市場全体でクリエイティブコンテンツを保護していく方針が確認された

業界の文脈 — ハリウッドの生成AI対応は依然として強硬

  • MPAは2025年10月にもOpenAIのSora 2を「十分なガードレールなしで公開した」と批判する声明を出している
  • また、Warner Bros.、NBCUniversal、The Walt Disney Co.は画像生成AIのMidjourneyを提訴しており、出力生成と訓練データ利用の双方で法的な争いが続く
  • 今回のMOUは業界団体レベルでの協調的な枠組みだが、個別スタジオによる訴訟や欧州のAI Act遵守の動きと並行して、生成AIと著作権の関係が「協議」と「法廷」の両面で動いていることを示している

MPAはNetflix、Paramount、Prime Video & Amazon MGM Studios、Sony Pictures、Universal Studios、The Walt Disney Studios、Warner Bros. Discoveryの7社を会員とする業界団体。今回の合意が実際にどの程度の具体的な保護策を伴うかは、今後のSeedance/Seedreamの提供状況や第三者による検証を待って判断する必要がある。

出典: MPAプレスリリース「MPA and ByteDance Announce Global Agreement to Protect Intellectual Property on AI Video and Image Generation Models」(2026-08-17)、MPA「Fostering Responsible Innovation」、MPA声明「Motion Picture Association Calls for ByteDance to Cease Seedance 2.0 Infringing Activity」(2026-02-12)。いずれも2026-08-18確認。