IMAGE: AI生成ビジュアル
PRODUCTS / PRODUCTS
Googleのエージェント開発キット「ADK Python」v2.7.0 — モデル能力の自己宣言とツールのメディア返却に対応
モデルIDからの推論をやめ、モデル自身が能力を宣言する方式へ。ツールの関数レスポンスで画像などのメディアをモデルに返せるようになり、Jinja2命令テンプレートも追加。pyarrow依存の移動という破壊的変更も含む。
Googleのエージェント開発キット「ADK(Agent Development Kit)Python」は2026年8月13日、v2.7.0をリリースした。今回のリリースは「正しさ重視(correctness release)」と位置づけられ、エージェントがモデルへ送る内容とモデルから返ってくる内容の取り扱いを中心に改善が加えられた。あわせて、モデルIDから能力を推論する旧方式を廃止し、モデル自身が能力を宣言する新システムへ移行するなど、開発基盤の整理も進んでいる。
モデル能力の自己宣言とツールのメディア返却
v2.7.0の主要な変更は、モデルの能力を扱う方法の刷新だ。従来はモデルIDからツールや出力スキーマとの組み合わせ可否をADK側が推論していたが、今後はモデルが実際にサポートする場合にのみ、出力スキーマとツールをペアリングする。これにより、モデルごとの挙動の差異に起因する不整合を減らす狙いがある。
- モデル能力の報告システムを新設し、モデル自身が能力を宣言する方式へ移行
- 旧来のGemini 1.x/2+のモデルIDチェックを廃止
- ツールの関数レスポンスで画像などのメディアをモデルに返せるよう対応(Gemini・Anthropic・LiteLLM・Apigee・OCI)
- 並列関数呼び出しの結果をすべて保持するよう修正
会話履歴と命令テンプレートの改善
会話履歴の取り扱いも強化された。Geminiが必要とする思考署名(thought signatures)、サーバーサイドのツール呼び出しパーツ、並列関数呼び出しの結果がラウンドトリップ後も保持されるようになった。さらに、命令(instruction)をテンプレート化する新機能として、Jinja2テンプレートが追加された。
- 会話履歴で思考署名・サーバーサイドツール呼び出し・並列呼び出し結果を保持
use_jinja2=Trueでセッション状態に対する条件分岐・ループを命令文に記述可能に{{ artifact("name") }}ヘルパーでアーティファクトを読み込み- Jinja2はオプション依存のままで、既定のテンプレートエンジンは従来の正規表現エンジンを維持
破壊的変更とパフォーマンス改善
v2.7.0には破壊的変更が1件含まれる。pyarrowがgcp extraから新設のbigquery-analytics extraへ移動した。pip install google-adk[gcp] のサイズはおよそ50MB小さくなるが、BigQueryAgentAnalyticsPluginを利用する場合はgoogle-adk[bigquery-analytics]の追加インストールが必要になる。また、import google.adk の負荷軽減や、LiteLLMアダプタでの2次ストリーミング蓄積の回避など、起動・実行経路の高速化も図られている。
- pyarrowを
gcpextraからbigquery-analyticsextraへ移動(破壊的変更) import google.adkの初期化処理を削減し、起動を高速化- Pydanticの往復変換やLiteLLMアダプタの2次ストリーミング蓄積を回避
- 認証情報のログ・エラー・トレースからのredactなどセキュリティ修正も多数含む
なお、本記事の内容はGitHubの公式リリースノート(v2.7.0、2026年8月13日付)に基づく。リリースにはこの他にも多数のバグ修正とドキュメント更新が含まれる。
出典: google/adk-python v2.7.0 Release Notes(2026-08-14確認)。