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GOVERNANCE / 輸出管理・安全保障
米司法省、3億ドル超の輸出管理対象AIサーバー不正輸出で男を逮捕 — 中国向け、マレーシア経由の迂回と起訴状
米司法省は2026年10月1日、輸出管理対象の高性能コンピューターサーバー3億ドル超相当を中国へ不正輸出したとして、カリフォルニア州の技術系企業経営者(38)を逮捕したと発表した。2023〜2024年にマレーシアやシンガポールを経由する迂回輸出と虚偽書類の手口が起訴状で示され、有罪なら最長で禁錮40年超の可能性がある。以下は司法省プレスリリースの記載範囲の整理である。
米司法省(DOJ)は2026年10月1日(米国時間)、輸出管理対象の高性能コンピューターサーバー3億ドル超相当を中国へ不正に輸出したとして、カリフォルニア州サンガブリエル在住の男(38)を逮捕したと発表した。連邦大陪審は9月29日付で3件の罪状による起訴状を返している。以下は司法省のプレスリリース(番号26-1129)の記載範囲の整理である。
逮捕と起訴の概要 — 3つの罪状、経営する企業が手段に
- 対象者: Greg Lui(別名Yiu Kong Lui、38歳)。カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリー所在の技術系企業Earthmade Computer Inc.の所有者とされている。
- 罪状(3件): (1)輸出管理改革法(ECRA)および輸出管理規則(EAR)違反の共謀、(2)国外持ち出し密輸(outbound smuggling)、(3)資金洗浄の共謀。
- 刑罰の上限: 有罪の場合、共謀罪で最長禁錮20年、資金洗浄の共謀で最長禁錮20年、密輸罪で最長禁錮10年とされている。
- 捜査機関: 商務省産業安全保障局(BIS)輸出取締室、国防省DCIS、FBIが捜査を担当。訴追はカリフォルニア中部地区連邦検事局と国家安全保障局の検事らが担当する。
- 留意点: プレスリリースは「起訴状は単なる主張であり、すべての被告人は法廷で合理的な疑いを超えて有罪とされるまで無罪と推定される」と明記している。本稿の記述はすべて起訴状・プレスリリースの主張の範囲である。
手口 — 第三国経由の迂回輸出と虚偽書類
- 期間と規模: 2023年から2024年にかけ、米商務省の許可なく輸出管理対象品を中国へ買い付け・送付したとされる。迂回先としてマレーシアやシンガポールなど、許可不要な国への発送を装ったとしている。
- 虚偽書類: 米国メーカーに対し、許可不要のエンドユーザー・仕向け地を装う虚偽文書を提出したとされる。被告人は真のエンドユーザーが中国にあると知りながら実行したと起訴状は主張している。
- 資金流: 2024年1月から10月に、Earthmadeはマレーシア所在の船積み会社2社から同スキームの一環として1億7600万ドル超を受領したとされる。
- 具体例(2024年1月): 被告人は共謀相手へのメールで、マレーシアの積み替え会社が輸出制限対象GPU搭載サーバー70台の購入を希望していると連絡し、米国の輸出法の制限を認識している旨の輸出コンプライアンス書式を添付したという。同月、被告人は米メーカーに27台約761万4000ドルの発注書を提出し、ロサンゼルスからクアラルンプールへ発送させたとされる。梱包明細には27台のGPU搭載サーバーが輸出管理対象で、許可なく中国へ送れない旨が記載されていたという。
- 転送の確認: 2024年3月、共謀相手がマレーシア政府関係者に27台が実際に中国所在の買い手へ積み替えられた旨をメールしたとされる。
当局の発言 — 「SIは時代を定義する技術」
- 国家安全保障局のEisenberg次官補: 「SI(Super Intelligence)は時代を定義する技術だ。国家安全保障局は、この技術を動かすチップにおける米国の優位を、敵対者への違法な流用から守る」と述べた(プレスリリース内の引用)。
- カリフォルニア中部地区のEssayli第一連邦検事補: 「被告は虚偽書類と第三国経由の出荷を使い、3億ドル超の輸出管理対象サーバーを中国へ密輸したとされる。利益のために国家安全保障を危険にさらす者を積極的に訴追する」と述べた(同)。
- FBI防諜部門のRozhavsky次長補佐: 先端SI技術の輸出管理は国家安全保障の保護に不可欠であり、輸出法違反者を追及し続けると述べた(同)。
- 製品の表現: プレスリリースは対象品を「SI用途に一般的に使われる米国製GPUを搭載したハイエンドサーバー」「SI計算を専門とする企業が製造したGPU」と表現している。GPUのメーカー名や型番はプレスリリースには記載されていない。