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Jeff Dean氏、Google退社後初の公開講演 — 「計算資源の拡大がAI進歩を牽引」、Discovery Loopの構想を語る

KAISTは2026年8月18日、Jeff Dean氏(Discovery Loop共同創業者兼CEO)がソウルAIハブで「機械学習の主要トレンド」をテーマに特別講演を行ったと発表した。8月13日開催のこの講演は、Googleを退社しDiscovery Loopを創業してから初の公開講演。Dean氏は、過去15年のAI性能向上は単一のブレークスルーではなく計算資源・データ・モデル規模の継続的拡大が牽引したと説明し、TPU開発の経緯や「人間とAIの協働」の重要性にも言及した。

KAIST(韓国科学技術院)は2026年8月18日、Jeff Dean氏(Discovery Loop共同創業者兼CEO)による特別講演を、国家AI研究拠点との共催で8月13日にソウルAIハブで開催したと発表した。Dean氏は1999年にGoogleの初期メンバーとして入社し、MapReduce・Bigtable・TensorFlow・TPUの開発を主導、Google Brainの共同設立を経て、首席科学者としてGemini開発を統括した「Googleの伝説」と呼ばれる人物。2026年にSanjay Ghemawat氏、Quoc Le氏、Oriol Vinyals氏とAIスタートアップDiscovery Loopを創業しており、今回の講演は創業発表後初の公開講演となる。

「機械学習の主要トレンド」— 計算資源・データ・モデル規模の拡大が牽引

講演テーマは「機械学習の主要トレンド(Exciting Trends in Machine Learning)」。Dean氏は、過去15年のAI性能向上を牽引してきたのは単一のブレークスルーではなく、計算資源・データ・モデル規模の継続的な拡大と、ハードウェア・アルゴリズムの並行する進歩だったと説明した。

  • 1990年代の失敗と20年後の実現: 学部時代に複数のコンピュータでニューラルネットワークを学習させる研究に取り組んだが、当時の計算性能の限界で成果を出せなかった。Dean氏は「その当時は実装できなかったアイデアが、十分な計算資源が整ってから約20年後に現実になった」と述べ、計算資源の重要性を強調した
  • TPU誕生の経緯: 音声認識の性能が大きく改善し、ユーザーが実際に使い始めると、従来方式ではデータセンターを2倍に増強する必要があるという試算が出た。これがAI計算に特化した専用チップTPU(Tensor Processing Unit)の開発につながった
  • 金メダル級の成績: ハードウェアとアルゴリズムの進歩が蓄積された結果、現在のAIモデルは国際数学オリンピック(IMO)や国際大学対抗プログラミングコンテスト(ICPC)で金メダル水準の成績を達成していると紹介した

また質疑応答では、コーディングエージェントの普及による雇用変化について問われ、「人間とAIが一緒に働くとき、どちらか一方だけで働くよりも良い結果に到達できる」と回答。AIは仕事の進め方や求められるスキルを変えるが、人間とAIがそれぞれの強みを組み合わせることが重要だという立場を示した。

Discovery Loop — 研究の反復プロセスをAIで自動化

Dean氏が2026年に創業したDiscovery Loopは、仮説立案から実験実行・結果分析に至る研究の反復プロセスをAIで自動化し、大規模計算インフラを活用して数千件の実験を並列実行することで、科学・工学の発見速度そのものを引き上げることを目指すスタートアップ。まず機械学習の研究開発自動化から始め、新薬開発やクリーンエネルギーなど人類的な課題へ領域を広げる構想だ(出典: KAIST発表、同社公式サイト)。

講演後には、KAIST Kim Jaechul AI大学院(Kim Jaechul Graduate School of AI)の教授や修士・博士課程の研究者らを交えた研究協議も実施され、大規模分散学習やAIインフラ、各研究室の研究課題について議論した。

開催の背景と参加規模

  • この講演は、データマイニング・機械学習分野の国際会議KDD(Knowledge Discovery and Data Mining)2026の基調講演のために韓国を訪れていたDean氏を招いて実現した
  • 講演にはKAISTのほか、高麗大学・延世大学・POSTECHなど国家AI研究拠点コンソーシアム大学の教授・学生、パートナー企業関係者など約150人が現地参加し、オンラインで約220人が参加した
  • 国家AI研究拠点はKAISTが主管し、韓国科学技術情報通信部(MSIT)と情報通信企画評価院(IITP)の支援を受けて2024年10月に設立された、韓国最大規模のAI産学研協力研究プラットフォーム

出典